たしかに正しいけど、その通りだけど。

ブログじゃないという体でまとまった文章を置いておきたい場所

書き散らかし

無気力に細切れに20

ついに終わりますよ。 投げっぱなしにすることで混乱を招くよ。 美しい結末は各人の心の中に思い描いてくれよな! 放課後、部室にはいつものメンバーが顔を出していたが、決して明るいとは言えない雰囲気に包まれていた。 特に話が弾むでもなく、何か行動を…

無気力に細切れに19

週が明け、社会がまた動き出す。向日葵の死に沈む友人らも、櫻子を除いて休むことなく登校していた。 それぞれの胸にはそれぞれの想いを抱いての、どちらかと言えば称賛されるべき結果であった。しかし奇しくもそれが仇となることは皆知る由もなかった。 昼…

無気力に細切れに18

千歳は図書館に来ていた。 祖母からの情報があれ以上得られない以上、ほかに情報を得る手段としてまず浮かんだのはここだった。昨日は電話を終えた時点でもう夕刻だったために断念したが、今日一日使えば何かが得られるだろうと千歳は考えた。 民俗学、地方…

無気力に細切れに17

向日葵が死んで二日が経ち、各自少しずつ折り合いをつけ始めていた。世界は何事もなかったかのように回っている。正午を過ぎ、急に空が暗くなってきた。予報では午後から雨が降るようだ。 昨日から綾乃は自室にこもっていた。何もする気が起きない。必要最低…

無気力に細切れに16

向日葵が死んで一晩が経った。 あのとき生徒会室にいた面々はそれぞれにショックを受けていたが、翌日が平日でなかったことも幸いし、いろいろなことが表面化してはいなかった。 下手にいつもどおりの学校生活を送ろうとすれば嫌でもそれに目を向けずにはい…

無気力に細切れに15

生徒会室を飛び出した櫻子は、西垣教諭の車に乗せられて病院へと駆けつけたが、向日葵は既に息を引き取っていた。 櫻子は周囲の涙を請け負ったかのように散々泣き喚いた後、なんとか引き離され、直接家に送り届けられると、部屋に閉じこもってしまった。 他…

無気力に細切れに14

綾乃か誰かの短い悲鳴を背後に聞き、櫻子は生徒会室を飛び出した。その辺を歩く日常の住人はそのただならぬ様子に驚いた様子だったが、当然櫻子の目には入らない。とにかく向日葵の元へ。それで頭はいっぱいだった。 生徒会室では「とりあえず後は頼んだ」と…

無気力に細切れに13

櫻子は今日も一縷の望みに賭けて向日葵を待ったが、彼女は現れない。昨日送ったメールにも返信がなかった。それほどに病状は深刻なのだろうか。それともどうでもいい内容だと判断されてしまったのか。終いには、そんな風に考えてしまう自身に対して落胆し、…

無気力に細切れに12

人ひとりが横になることもままならない正方形の板間、その角に簡素な皿に立てられた蝋燭の明かりが細かく揺れていた。部屋、といってよいのだろうか。何せ調度品などはもちろん、窓すらない。壁も床と同じ木の板で仕上げられている。わずかな光源で窺い知る…

無気力に細切れに11

翌朝、気分晴れやかに家を出た櫻子は一転、直後にひどく落胆した。しかしなんとか、どこかでそんな気はしていたのだと自身を落ち着け、静かに門の傍で向日葵を待った。 遅刻ぎりぎりまで待ったが、結果は芳しくないものだった。 何度か向日葵の家の前まで行…

無気力に細切れに10

昼休み、櫻子は二年の教室へと足を運んだ。 今日の放課後、櫻子と向日葵は綾乃に呼び出されていた。何の用事なのか詳しくは聞いていなかったが、早い方が良いだろうと向日葵が本日欠席であることを伝えに行こうというわけだ。 「そ、そうなの。それは心配ね…

無気力に細切れに9

――まだまだ蒸し暑さが続いて寝苦しい深夜にあって、向日葵は布団を被って震えていた。 「なに……? どうしてこんなに寒いの……」 悪寒戦慄。向日葵は必死に自らの両肩をかき抱き、なんとか体温を逃すまいとしていた。しかしその動作は緩慢である。 「体が、重…

無気力に細切れに8

まあきっと、そういうこともあるのでしょうね。 元はかなり説明的だったのを削り散らかすあれを施しています……。 ******** 翌日、彼女らは前日の約束どおり放課後に部室に集まって箱の攻略を続けることにした。 メンバーは昨日と同じ六人で、結衣は…

無気力に細切れに7

きっと、そろそろ死ぬんじゃないかな? ***** それからしばらく経って、箱を弄る京子がだらりと両腕を卓上に投げだして泣き言を言う。 「あーダメだー。これ、壊れてるんじゃないの?」 「そんなわけないだろ。何回かはちゃんと動くじゃないか」 「だっ…

無気力に細切れに6

実はちょこちょこ中身を弄ってるのは内緒。 ちょっと弄ればすぐに開けられるかもしれないなどと高を括っていた櫻子だったが、まったくそんなことはなく、一手動かしたきりになってしまった。当然次の授業も上の空のままに過ごし、チャイムが鳴ると起立、礼も…

無気力に細切れに5

休み時間になって、櫻子は例の箱を開けてみようと思い立った。授業は休み中に出ていた宿題の提出が主だったこともあって、終始箱のことで頭がいっぱいだった。 櫻子にはあの箱の中に何かすごいものが入っているのだという予感めいた確信があった。そんなこと…

無気力に細切れに4

ふぉっ、ふぉおっ、ふおおおおっ!(モンエナをキメる) ――翌日、休み明け初日の朝。 「櫻子、いつまで寝てるの。今日からもう学校でしょ」 「もう少しー……?」 呆れたような母の声にぼんやりとした意識で返事をした櫻子だったが、ちらりと時計を見ると慌て…

無気力に細切れに3

私の信じる趣というのは、慎ましい犬の諦観と心酔と報奨と無念に寄り添っています。 ――今は一体何時なのだろうか。そもそも昼なのか夜なのか。ぼやけた意識で向日葵はそんなことを考えていた。雨戸を閉め切り、また別の窓には遮光カーテンを引いた部屋の中は…

無気力に細切れに2

――千歳は幼少期より妄想の強い子供だった。正確には、妄想の強い子供だと、みなされていた。 物心つく前の千歳は、双子であったにもかかわらずに独りで遊ぶことが好きな内向的な性格だった。しかし時折、普段の彼女がそんな性格であるとは到底思えないほど快…

無気力に細切れに

不定期に破片をばらまく遊び。 ――部屋に敷かれた布団の上に、結衣と京子は手を繋いだままに横たわっていた。 部屋に辿り着いた瞬間結衣が血を吐いた。それではっきりと自分たちの運命がわかってしまった。遠方に離れるだけではもうあの凄惨な死からは逃れら…