たしかに正しいけど、その通りだけど。

ブログじゃないという体でまとまった文章を置いておきたい場所

赤レンガ倉庫へ。

 今日はあいにくの曇天でしたが、石の即売会的なイベントがあって横浜の赤レンガ倉庫へと足を運びました。

 まあ結局はぐるっと見て、なんとなく怪しい感じなのと、なんとなくどうしようもない感じなのと、様々なマイナスの感情に取り巻かれ、1.5kほどのハックマン石*1を買っただけで会場を後にすることに。

 

 石を買うのって、やっぱり結構な闇でして、品質などちらっと見ただけではわからないことも多いので、言い値に対して見合うものであるかどうかはかなりの自己責任を伴う判断が必要になってくるんですよね。

 鉱物なんかは本当に知らないものが多いし、珍しくて値が張る石なんか、欲しい人にとっては欲しいのだろうけど、単純な美しさといった要素からは検討ができない場合がほとんどですね。美しさにもいろいろあって、やれ結晶の形がどうだとか、インクルージョン(混入物)がどうだとか、鉱脈やら何やらにも拠るので大変大変なのですね。

 

 まあ私はどちらかというと宝石寄りの嗜好なので、ガチの鉱石には手が出ないんですが、宝石は宝石でやっぱり一般的な印象どおりの闇が広がっています。

 石の中には人工的な処理を施すことでより色味が美しくなったり、変化したりするものがよくあります。例えばサファイアなどは加熱非加熱が表示してあることがあります。NN(ノーヒートナチュラル)とか。あとは有名なアメシスト紫水晶)も加熱でシトリン(黄水晶)になるので、綺麗なシトリンは加熱処理したアメシストの場合が多い、などですか。

 ほかにも放射線を照射したり(やはり色が濃くなったり変わったりする。)、ひびを目立たせなくするために油を浸潤させたり、普通に合成石(ルビーとかエメラルドとか)もあります*2。最悪色付きガラスという場合もあるかもしれません。

 

 似たような石もたくさんです。例としてはあんまりあれかもしれませんが、ぱっと思いつく例を書きます。

 ベリルとかいうグループの石は、例えばアクアマリン、エメラルド、レッドベリル、ヘリオドールが含まれますが、そのヘリオドールと似たような見た目になるものに柱石(スキャポライト)があります。ベリルの黄~淡い緑色のものをヘリオドールと言う*3わけですが、スキャポライトにも似たような色のものがあるのですよね。

 気をつけて見ればわかりそうな違いが一応あって、ベリルは綺麗に六角柱になっているのですが、スキャポライトは必ずしもそうではありません。でも形によってはそれっぽくも見えちゃうんですよね。

 ……かと思えばカットしてあるスキャポライトは水晶にもそっくりだというのですからもう。そもそもカットされた石の鑑別なんて無理無理かたつむり。ガーネットとかなん色あるんよ。

 

 ぐだぐだ書きましたが、結局そういった胡乱な部分に及び腰になって、どれもこれもが怪しく見えてしまう中程度の時期に差し掛かったらしいのですよね。

 気にせずなんでも買っていた初期、何もかもが怪しく見える中期を過ぎて、最終的には目利きができる後期へと至れる、のでしょうか。厳しそうです。

 

 なんにせよすべてが怪しく見える中、できることといえば、売り手によくよく訊いてみるということに尽きましょう。コミュ力重要ですね。POC*4やっぱり要るんですよ。

 

 も、もうだみだぁ~……じょばぁ~~(失禁)

*1:宝石質のものはハックマナイトと呼ばれて売られる薄紫色の石。紫外線(長波がよりよい)で鮮やかな杏色に蛍光し、濃い紫色に変色するのが面白い。自然光に当ててしばらくすると元の色に戻る。

*2:合成はネガティブなイメージばかりではない。大抵明記されているし、魚の天然養殖程度の違いというのが個人的なイメージでしょうか。

*3:ゴールデンベリルとヘリオドールとイエローベリルとかいう適当につけられた通称名もかなり闇ですね。歴史的な経緯もあるので本来なら適当とも言えないのがあれですが、厳密な区別がないままに混在してしまう例は枚挙にいとまがないといった感じ。

*4:Power Of Communicationのこと。サンリオピューロランド内の公演で独特のポーズをとらせられながら大声で「パワーオブ、コミュニケーション!」と言い、物語を進行させる経験をした身内には通じるはず。


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