たしかに正しいけど、その通りだけど。

ブログじゃないという体でまとまった文章を置いておきたい場所

蛇足ですよね蛇足。

 「あの夜の興奮が蘇るようだった……」その言葉を聞いて、これはしまったと思いましたね。

 あの夜の多くの時間は最後の最後の台詞を絞り出すのに使ったのでした。

 その成果はどこかに置いておいた方がいいのかな、とも思ったのでした。

 今となっては後の祭りですが、供養という意味合いも込めて、最後のシーンだけ、こっそりと置いておきましょう……。

 生き残った櫻子が葬儀後に向日葵の母親と話し、思いもよらぬ事実を知って呆然とする最中に、りせに残酷な宣告を受けるシーンです。

 

 

 


 

 

 

 りせは少しの間、過去のことを思い出していた。悲劇に佇む櫻子の姿が過去の自分と重なったのかもしれない。しかし彼女もりせも生きている。そして悲痛を抱えて生き続けなければならない。りせは櫻子の行く末に自身のそれを重ねて、少しばかり嬉しいような感情が芽生えるのを感じた。自分でもどうかと思った。やはりまともな人間ではないから仕方がないのだろうかと軽口を叩きたい気分だった。

 りせは櫻子の耳元に口を寄せると、櫻子にしか聞こえない肉声でこう言った。

 

『よかったね。壊れてて』

 

 そして躊躇うことなくその場を後にした。

 残された櫻子は空っぽな心で、ぽつりと呟いた。

「会長の声、初めて聴いた」