たしかに正しいけど、その通りだけど。

ブログじゃないという体でまとまった文章を置いておきたい場所

謎のスキット3

 観光客などで混雑した駅前の広場。そこに置かれたベンチによく目立つ色の髪をした少女が腰かけていた。少女の周りはわずかに人が疎らで、皆遠巻きにちらりと彼女に目を遣っては、通り過ぎていく。

 そんな少女に見覚えのある者がたまたま近くを通りかかっていた。前髪を上げ、ウェーブのかかった髪を後ろでまとめているその少女は、色鮮やかな衣装に身を包んでいる。彼女にとってベンチに腰かける少女は見知った相手ではあったが、直接会話をしたことがなかったため、しばし逡巡したが、観察していると何やら心許ない様子である。まあこれも何かの縁だ、と意を決してベンチへと足を向けた。

「あれ……ひとり?」

 少女の問いかけにプラチナブロンドの髪の妖精のような少女が少し寂しげな表情で頷いた。

「というか、靴は?」

 色鮮やかな衣装をまとった少女は、ベンチに腰掛ける妖精のような少女の足元を指さして言った。何故か彼女の足にはソックスしか履かれていなかった。そのソックスは、そのままで歩いたのか少し汚れてしまっている。

 その問いかけには、俯いた妖精のような少女は口を結んだまま、力なく首を振った。

「えーと……ほかの人も来てるんだよね?」

「……ワカラナイ」

「え? もしかして、はぐれたとか? 連絡は?」

「ハイ……アノ……デンワ、ワスレタ」

「あーうーーん、そっか……」

 どうも状況は芳しくない様子である。そもそもこの状況では移動することもできないだろう。そして迎えも呼べなく、途方に暮れていたようだ。

 異国の、その上慣れないまちにあってひとり途方に暮れるなど、想像を絶する心細さだろう。色鮮やかな衣装をまとった少女は考えを巡らせた。

小瀬川さんの連絡先すら知らないからな……どうするか。あ、そうだ、とりあえずこれを貸してあげる」

 色鮮やかな衣装をまとった少女は、そう言うが否や、持っていた荷物から赤い鼻緒の草履を差し出した。

「エエット……」

「それね、さっき踊るのに使ってたけど、今は履き替えてるし使ってもらって大丈夫。緊急事態だしね」

「ア、アリガトウゴザイマス」

「いいっていいって。学校で返してくれればいいから。ちょっと悪いけど、私は次の列車で帰らなきゃいけないんだ。それ履いて、少しみんなを探してみて、見つからなかったら……帰るしかないよね」

 大丈夫かな? と、色鮮やかな衣装をまとった少女が訊ねると、妖精のような少女は頼りなく頷いて見せた。

「ほんと、みんなに会えなかったら列車なくなっちゃう前に帰るんだよ?」

「ハイ……アリガトウゴザイマシタ!」

 念を押され、早速草履を履いた妖精のような少女は、勢いよく立ち上がり、ペコリと頭を下げた。色鮮やかな衣装をまとった少女は後ろ髪を引かれる思いであったが、列車の時間が迫っている。妖精のような少女とは、手を振って別れた。