たしかに正しいけど、その通りだけど。

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釣りスタ ワールドツアーをやりました

釣りゲームがやりたいなと思って調べたのですがほとんど選択肢がなく、釣れる魚の種類やロッドやリールといった道具の種類が多そうなこちらの作品をプレイすることにしました。

 

○総評

全クリ(全種類の魚を釣り上げる)まで普通にプレイする分にはある程度普通ですが、やり込み要素に入る(ミッションをコンプリートしようとする)と、心が折れてしまいます。
また、その心の折れ方はゲームシステムの不満点を意識してしまうことによるもので、ある程度のやり込みまでプレイするスタイルの私にとっては、プレイ後感がちょっと悪かったです。

ただ、ステージや魚のグラフィックは本当に綺麗なので、システム的なことでがっかりしてしまうのは本当に残念でした。
素材がよくできているわけですから、システムをもう少し厚くすれば、ある程度の満足感が得られる作品にまとまっていたように思います。

 

○よかった点

・グラフィックが綺麗
魚の鱗に光が当たった具合とか、魚の動きとか、本当に綺麗です。

・環境音がよい
BGM消してやると水の流れや鳥のさえずりなど、かなり癒されます。

・難易度はちょうどよい
釣り上げるとき(ファイト時)の手応えが適切でした。
このゲームは攻略の方針として大きく分けてふたつ、リールを巻いていってチャンスサークルを生じさせて一気に巻き上げる方法と、ロッドを倒して魚を疲れさせて動きが鈍くなったときに一気に巻き上げる方法があります。
難敵にはロッドを巻いたときにテンションが上がり過ぎたり、タフで中々疲れてくれなかったりと特徴がある感じで、どういった方針で攻略するか思考錯誤する楽しみはありました。

 

○不満な点

・最大サイズの釣れる確率がとても低い
このゲーム最大の残念な点です。これで心が折れました。
確率を少しでも上げる手立てが何かあればいいのですが、それもない。と言いますか、あるのかもしれませんが、作中にヒントが見当たりませんでした。
いろいろと仮説を立ててステージ1-1で探ってみましたが…………わからず終いで終了です。
ミッションに全ての魚の最大サイズを釣るというものが設定されているにもかかわらず、現実的に実現不可能というか、超えてはいけないラインを超えた作業感を押し付けられているという事実を悟った瞬間、絶望しかありませんでした。
岸から遠ければ遠いほど大きなサイズが出やすいとかそういうことでもないようです。(奥の方に出現する魚影の方が一段階だけ大きな魚にはなっているみたいです。)
特定の魚影が特定の種類の魚だということはわかったが、特定の魚影が明らかに大物かというとそういうことでもなさそう。
能力の高い道具を使えば大きいかというとそうでもなさそう。
釣果数ミッションの最後の方(達成がゲームクリア後になると思われるミッション)の報酬であるイロモノっぽいルアーを使ってみるも、意味はなさそうです。
お手上げです。

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達成させる気がないとしか思えない

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174匹釣っても出ない最大サイズ(★4)これがあと150種類以上あるなんてお手上げです

・一度も使わないロッドやリールがある
せっかくバラエティに富んだロッドやリールがあるのに場所や狙った魚に合わせて選択をするということがほとんど必要ありません。
尖った性能のものがなく、単純に強いものを装備しておけばよい上に、ストーリーが進行してから現時点での最高性能のものよりも能力の低いロッドが手に入るといったこともありました。
また、タックルのセットを保存できる機能がありますが、能力の比較にしか使いませんでした。それも、能力がバーの長さで表示されているために、その大小が比較しづらいことに起因するものです。つまり、素直に数値で表示されていれば必要のない行為であって、不便な点でした。
さらに言うなら、ルアーだって同じような適正のものはデザインでだって別のものを選ぶ必然性がないんですよ。引いたときの動きが違うとか、何か凝ったことになっていればまだマシだったのでしょうが。

・ゲームに必要と思われる数値が表示されていない
例えば、ルアーの位置が岸から何メートルか表示されません。
でも、チャンスサークルが出るタイミングでは残り距離が表示されたりします。
つまり、内部ではパラメータとして持っているというわけで、それを表示させてない不親切さを感じた点です。
あとは、チャンスサークルが生じるのはリールを巻いたりしていくと溜まるエネルギーが最大まで溜まった時だとヘルプに記載されていますが、そのエネルギーも可視化されていません。ゲージをひとつ増やせばいいだけなのに。
装備品の能力が数値で表示されていないというのもそうですね。

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エネルギーの溜まりやすさが視覚的にわかれば戦略も立てやすいのに

・さかな図鑑で魚を観賞できない
よかった点で挙げましたが、グラフィックは本当に綺麗なのです。
それなのに、この有様。図鑑と銘打っているなら拡大や回転などその美麗な魚をじっくり鑑賞できたり、生態などコラムが載っていたりすればいいのにと思います。
よかった点を生かしきれていないのがとても残念です。

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美麗なグラフィックもリザルト画面が一番大きく表示されるお魚

・ステージで魚が跳ねる演出が度々起こるが意味深なだけで効果が不明
これは言いがかりに近いですが、100匹以上同じ魚を釣ったりしていろいろと思考錯誤していく中で、意味深な演出に気が滅入りました。
根本的なことを言いますと、このゲームに対しての信頼性が揺らいでいるのがこの不満点を生じさせているのだと思います。
さかな図鑑の件だとか、ヘルプで言及のあるチャンスサークルが発生するためのエネルギーのゲージがないだとか、そういったシステム面において不親切だと感じることが、この演出が単なる演出なのか、それとも不親切なだけで意味のある匂わせなのかを判断できなくさせています。

 

昔、PSでやった釣りゲーム*1があって、それが恋しくて購入したのでした。
そのゲームは仕掛けがかなり現実寄りで、おもりだけで何種もあって仕掛けもいくつもあって、それによってかかる魚は違うし、季節や天気や潮汐なんかも影響してきていてかなり凝ったシステムでした。
それを期待して、いざ始めてみて方向性が違うことはすぐにわかりました。
なので期待外れといってがっかりすることはありませんが…………でも、検索してみてわかりましたが、国産の釣りゲーは死んでしまったのですね。
こんなところでゲーム業界の衰退というか、時代の流れを感じてしまったことに寂寥感を覚えています。

*1:『釣道 海釣り篇』ってやつです……実況とかが上がってるみたいで、ちょっと見てもらえば言っていることがわかると思いますの。


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