たしかに正しいけど、その通りだけど。

ブログじゃないという体でまとまった文章を置いておきたい場所

2015-06-01から1ヶ月間の記事一覧

謎のスキット2

鉄製のベンチに腰掛けて話す面々の間には、祭りの後特有の燻る残り火のようなじんわりと興奮した空気が横たわっている。そこに涼しげな秋の虫の音色が差してえもいわれぬ絶妙なバランスを取っているように感じられた。 「何度も観てきたけど、やっぱりこう、…

謎のスキット

ふと背の小さな少女がこんなことを言いだした。 「先生ってさ、どうしてうちの学校に来たんだろうね」 それを受けて赤い髪を切り揃えた少女が答えた。 「どうしてって……確かに。言われてみるとなんでだろ」 「なんかこっちに来る前にトヨネのところに行って…

蛇足ですよね蛇足。

「あの夜の興奮が蘇るようだった……」その言葉を聞いて、これはしまったと思いましたね。 あの夜の多くの時間は最後の最後の台詞を絞り出すのに使ったのでした。 その成果はどこかに置いておいた方がいいのかな、とも思ったのでした。 今となっては後の祭りで…

無気力に細切れに20

ついに終わりますよ。 投げっぱなしにすることで混乱を招くよ。 美しい結末は各人の心の中に思い描いてくれよな! 放課後、部室にはいつものメンバーが顔を出していたが、決して明るいとは言えない雰囲気に包まれていた。 特に話が弾むでもなく、何か行動を…

無気力に細切れに19

週が明け、社会がまた動き出す。向日葵の死に沈む友人らも、櫻子を除いて休むことなく登校していた。 それぞれの胸にはそれぞれの想いを抱いての、どちらかと言えば称賛されるべき結果であった。しかし奇しくもそれが仇となることは皆知る由もなかった。 昼…

なんなのだこの時間は……

何故かPSPをキャプチャする遊びを急にやりたくなってずっと環境構築していました……ゴミ屑プレイの名曲だけ置いておきます……。

無気力に細切れに18

千歳は図書館に来ていた。 祖母からの情報があれ以上得られない以上、ほかに情報を得る手段としてまず浮かんだのはここだった。昨日は電話を終えた時点でもう夕刻だったために断念したが、今日一日使えば何かが得られるだろうと千歳は考えた。 民俗学、地方…

無気力に細切れに17

向日葵が死んで二日が経ち、各自少しずつ折り合いをつけ始めていた。世界は何事もなかったかのように回っている。正午を過ぎ、急に空が暗くなってきた。予報では午後から雨が降るようだ。 昨日から綾乃は自室にこもっていた。何もする気が起きない。必要最低…


掲載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。