たしかに正しいけど、その通りだけど。

ブログじゃないという体でまとまった文章を置いておきたい場所

なんかいろいろ

 日曜日にはコミケに行っていろいろ本を漁りましたが、例の如くサークル買いがほとんどでした。そしてほぼほぼエロだという……。

 理由を考えたのですがね、やっぱりエロは情報収集が楽で。非エロは自分で探していかないといけないなあ、と。そう思いますね。

 小説とかもちゃんと探せばあるのだろうなあ……うーむ。難しいところですね。

 

 買った本とか晒していきたいのですが、なんか疲れているのでまた今度に。

 今度っていつだ……いや、しかし、天候が……気分が……。

 

 

 艦これのイベントはちょこちょこやっています。

 今はE4丙で海風を掘っています。暁衣笠青葉千歳隼鷹でやっています。空母のところが雲龍翔鶴だったのですが、もっと軽量化しても大丈夫だろうってことでこの面子で。変更前は色素薄い艦隊って感じでよろしかったのですけれども。

 しかし、どのぐらいで切り上げるかというのが悩ましいですね……今日を過ぎるとまとまった時間プレイできる日もなくなってしまう可能性があるので恐ろしい限りです。しかしながら、イベントのクリアーよりもわずかに艦娘揃える方が優先順位が上なので、仕方がないですね。海風が出ないことには先に進めない、ということにしておきましょうか……。

 じゃあ瑞穂も先に掘ればよかったじゃんって話ですね。いや、でもあっちは連合艦隊で……面倒だから……。

 

 

 創作に関してはやはり他人の創作物に触れるとモチベーションは上がりますが、こればかりは何か降りてこないと先に進まないのでなんとも。ぐぅ、不甲斐ない。

 なんとなぁくのプロットは固まっているのですけれどね。もうちょっとどういうのが面白いのか考えて方向性を決めます……文字数の進捗でいうと3割ぐらいなのだろうといった感じでまだまだ修正は利くのだ。ダメダメ。

 

 

 とっぴんぱらりのなんとやら

謎のスキット3

 観光客などで混雑した駅前の広場。そこに置かれたベンチによく目立つ色の髪をした少女が腰かけていた。少女の周りはわずかに人が疎らで、皆遠巻きにちらりと彼女に目を遣っては、通り過ぎていく。

 そんな少女に見覚えのある者がたまたま近くを通りかかっていた。前髪を上げ、ウェーブのかかった髪を後ろでまとめているその少女は、色鮮やかな衣装に身を包んでいる。彼女にとってベンチに腰かける少女は見知った相手ではあったが、直接会話をしたことがなかったため、しばし逡巡したが、観察していると何やら心許ない様子である。まあこれも何かの縁だ、と意を決してベンチへと足を向けた。

「あれ……ひとり?」

 少女の問いかけにプラチナブロンドの髪の妖精のような少女が少し寂しげな表情で頷いた。

「というか、靴は?」

 色鮮やかな衣装をまとった少女は、ベンチに腰掛ける妖精のような少女の足元を指さして言った。何故か彼女の足にはソックスしか履かれていなかった。そのソックスは、そのままで歩いたのか少し汚れてしまっている。

 その問いかけには、俯いた妖精のような少女は口を結んだまま、力なく首を振った。

「えーと……ほかの人も来てるんだよね?」

「……ワカラナイ」

「え? もしかして、はぐれたとか? 連絡は?」

「ハイ……アノ……デンワ、ワスレタ」

「あーうーーん、そっか……」

 どうも状況は芳しくない様子である。そもそもこの状況では移動することもできないだろう。そして迎えも呼べなく、途方に暮れていたようだ。

 異国の、その上慣れないまちにあってひとり途方に暮れるなど、想像を絶する心細さだろう。色鮮やかな衣装をまとった少女は考えを巡らせた。

小瀬川さんの連絡先すら知らないからな……どうするか。あ、そうだ、とりあえずこれを貸してあげる」

 色鮮やかな衣装をまとった少女は、そう言うが否や、持っていた荷物から赤い鼻緒の草履を差し出した。

「エエット……」

「それね、さっき踊るのに使ってたけど、今は履き替えてるし使ってもらって大丈夫。緊急事態だしね」

「ア、アリガトウゴザイマス」

「いいっていいって。学校で返してくれればいいから。ちょっと悪いけど、私は次の列車で帰らなきゃいけないんだ。それ履いて、少しみんなを探してみて、見つからなかったら……帰るしかないよね」

 大丈夫かな? と、色鮮やかな衣装をまとった少女が訊ねると、妖精のような少女は頼りなく頷いて見せた。

「ほんと、みんなに会えなかったら列車なくなっちゃう前に帰るんだよ?」

「ハイ……アリガトウゴザイマシタ!」

 念を押され、早速草履を履いた妖精のような少女は、勢いよく立ち上がり、ペコリと頭を下げた。色鮮やかな衣装をまとった少女は後ろ髪を引かれる思いであったが、列車の時間が迫っている。妖精のような少女とは、手を振って別れた。

作品の価値について

 特に大それたことを言うつもりもないですし、できもしないのですが、メモ程度に書き散らかしておきます。

 価値という単語がTTじみていてあれですが、特に狭い意味があるわけではありません。良い悪いのベクトルのお話です。

 

 

 作品の価値を大きくふたつに分けて見てみると、単純に作品そのものの価値というもののほかに、個人がその作品に対して見出した価値というものも考えられます。

 このふたつを一緒くたにして考えると、こんがらがって最悪死にます。それは、自分のことを考えるときでも、他人が話す作品の価値らしき事柄についても同様です。

 

 作品そのものの価値というものは、ある程度一般化された、多数の個人がその作品に価値を見出すであろうという期待により成り立つ価値であって、作品の「良さ」とでも表現できましょう。秀作とか良作とか名作とか、そんなことを言える作品なのかもしれません。ちなみに私は対義語として「悪い」と表現します。

 一方で個人がその作品に対して見出した価値というものは、単に個人の嗜好に合致するかなどの低いハードルを超えると容易に成り立つ価値であって、作品の「好さ」とでも表現できましょう。情動により自動的に判断されるので、かなり個人個人でばらばらな作品が挙がってきそうです。ちなみに私は対義語として「ダメ」と表現します*1

 

 こうまとめると、ちょっと考えてみれば自明なのですが、前者のつもりで後者を語ると地獄だぞってことですね。そして、前者の考えはとってもハードルが高く、通常は後者の考えを自覚的に採用していくのが現実的な気がしてきます。

 作品の良し悪しを考えるには、適当な十分広い範囲の集団で定積分したときに個人的な嗜好がキャンセルされることを前提として、少なくともそういった嗜好に大きな影響を受けないのであろう要素を吟味していかねばなりません。盤石な理由をまず探さねばなりません。面倒ですね。面倒じゃない部分*2で言えちゃうことも多いんですが。

 対して個人的な感想にすぎない作品の好いダメは自分のことなので自分の心に嘘を吐かない限りは、それが正しいので簡単です。胸を張って叫べます。正しさが必ず先に来るので、理由は後付けでよろしい。(可能なら理由は付けるべき)

 

 ちなみに個人的には良い・好い/悪い・ダメと対立させると、前者はハードル*3が低くて後者が高いです。*4そのために、この4つを言いやすさで並べると、

 好い<ダメ≦良い≪悪い

こんな感じになるかと思います。良いぐらいまでならわりとカジュアルに言えますね。悪いは相当悪くないと難しい……。

 ただ、個人的に良い・悪いは、多くの人がそのように考えるであろうという自分の脳内で想定されるコモンセンス的なものを下敷きにしている都合上、無責任で自分勝手な感を拭えないとかいう矛盾に苛まれてしまうので、専ら好い・ダメを使っているというのが実情です。

 

 ごちゃごちゃ言ってるけど何が結局言いたいのかって、大抵は後者で作品語ることになるんだからそれを自覚しろ。って、あの、その。

*1:好き嫌いってしないのは、なんというか、ダメと嫌いもまた違うのですよね……。ダメは言い換えると好ましくない。好ましい状態にない。不適切だと感じる。そんなところで。

*2:論理的整合性とか。その瑕疵とか。

*3:成立に際して必要とされる理由の正しさの度合?

*4:否定は攻撃性を孕むからだと思います。

謎のスキット2

 鉄製のベンチに腰掛けて話す面々の間には、祭りの後特有の燻る残り火のようなじんわりと興奮した空気が横たわっている。そこに涼しげな秋の虫の音色が差してえもいわれぬ絶妙なバランスを取っているように感じられた。

「何度も観てきたけど、やっぱりこう、神妙な感じになっちゃうよね」

 赤い髪の少女が中空に視線を投げかけながら呟いた。

「やっぱり観客側として観ると一味違うものなんだ?」

 座っているベンチの縁に両手を添え、両脚を振り上げながらバランスを取っていた小さな少女が、すかさず反応を返した。ぱっと赤い髪の少女がそちらに振り向く。髪が動きに合わせてふわりと広がる。 

「あ、それ! ちょっと! 胡桃のせいで明日また宇夫方さんに訊かれそう」

「シロが、ね」

 小さな少女がわずかに笑みを湛えつつ、白い髪の少女の方を見遣った。

「……?」

 白い少女は黙って少し困ったような風だ。

 黙っている少女を見ながら赤い髪の少女がその言葉を受けた。

「彼女も健気ねーほんと。シロもちょっとは相手してあげればいいのに」

「……だるいって答えると、いつも特にしつこくもなく納得するし、いいかなぁって」

「悪い女だ」

「魔性の女だ」

「ヒドい言われようだ……」

 くすくすと、小さな声を立てて小さな少女と赤い少女が笑う。

 

「そういえばさ、エイスリンはさっきも言ってたけど、神社とか寺とかそういうの、好きなんだよね……いつから知ってた?」

 ふいに赤い髪の少女が問いかけた。

「うーん……インハイから帰ってきて、私たちは勉強に本腰入れ始めて……そのぐらいかなあ」

 小さな少女が答える。「シロは?」と赤い少女が振ると、白い少女は少し考えてから答えた。

「結構前から……」

「そういう話とかしたの?」

「エイスリン、結構そういう絵をノートとかに描いてる」

「へぇー……そっか、後の席だもんね」

 小さな少女がこともなげに話した。赤い少女はわずかに神妙な面持ちとなっていたが、次の瞬間には表情を一変させた。

「エイスリンもまあ、日本の文化に興味があったから留学してきたんだろうしね、うん」

「そんなこと言ってたなぁ。交換留学のパンフレットにあった写真がどうとか」

「そうなんだ……」

 赤い少女がすっと融けるような声音で相槌を打つ。それを聞きながら、小さな少女は明後日の方向に目を向けていたが、少し動きを止めると、ふたりの方に向き直って表情の乏しい顔で言った。

「……ところで、終電って何時だっけ?」

「あ……」

 皆が辺りを見回すと、見物客はすっかり疎らとなっている。

「うわ、もう8時だよ?!」

 赤い少女が携帯電話を見て悲鳴を上げる。迷子になったかと一同心配し始めた頃、ようやく目を引く二人組が戻ってきたのだった。

 

謎のスキット

 ふと背の小さな少女がこんなことを言いだした。

「先生ってさ、どうしてうちの学校に来たんだろうね」

 それを受けて赤い髪を切り揃えた少女が答えた。

「どうしてって……確かに。言われてみるとなんでだろ」

「なんかこっちに来る前にトヨネのところに行ってたっていうから、やっぱり部活の顧問をしたくて赴任先を探してた、とか?」

 なるほど、と赤い髪の少女が頷く。

「こっち着いたその日にいきなり部室に来たもんね」

「で、3人ともあり得ないトバされ方したという」

 小さな少女の言葉に、みんなが苦笑した。

「校長の昔馴染みとかいう話だけど……」

 今まで黙っていた白く豊かな髪の少女が、椅子に浅く腰かけ、体を投げ出した体勢で呟く。彼女が話すと不思議と皆が注目した。それはあたかも空気が支配されたかのようだった。

「……いいや。だるくなってきた」

「いやよくないでしょ」

 間髪を入れず赤い髪の少女がツッコミを入れる。それと同時に空気が一気に弛緩した。どうやらこのやり取りはいつものことのようで、話題を放り投げた彼女にそれ以上の追求はされなかった。

「あーもー限がないから! そろそろ勉強に戻る! ほらシロしゃんとして!」

「掴まるところがなくてダメ……あぁ……」

 小さな少女の発破も虚しく、ずるずるとずり落ちながら後退していく白い少女を、赤い少女が嘆息しながら取り留める。

「もう……これだけだらけられると、逆にちゃんとしなきゃってなるわ。その体勢の方が疲れるでしょ、シロ」

「どうにも身が入りませんなぁ」

「みんなそうだよ!」

 言いながら、小さな少女は先ほどまでの思考を再開した。

 部活の指導者としてチームをインハイに導きたいならこんな辺鄙なところに来なくても、もっと強豪校はいくらでもあるし、そもそも最初は頭数すら揃っていなかったのだ。じゃあ部活の指導はついでだった? ……いや、しかし……麻雀が強いからってトヨネを連れて……。

 考えているうちに赤い少女が白い少女をしっかりと席に着かせることに成功していた。それを機に小さな少女も思考を畳むことにする。

 これまでずっと一緒だった3人の関係は、ここ半年ちょっとの間に激動の展開を迎えて、今再び3人だけの凪いだ状態に戻りつつある。しかし、またほんの数か月先には――

 畳む折にふと一番触れてはいけないと思っていた事柄に触れてしまったことを、小さい少女は下唇の内側をわずかに噛んでやり過ごした。

 

蛇足ですよね蛇足。

 「あの夜の興奮が蘇るようだった……」その言葉を聞いて、これはしまったと思いましたね。

 あの夜の多くの時間は最後の最後の台詞を絞り出すのに使ったのでした。

 その成果はどこかに置いておいた方がいいのかな、とも思ったのでした。

 今となっては後の祭りですが、供養という意味合いも込めて、最後のシーンだけ、こっそりと置いておきましょう……。

 生き残った櫻子が葬儀後に向日葵の母親と話し、思いもよらぬ事実を知って呆然とする最中に、りせに残酷な宣告を受けるシーンです。

 

 

 


 

 

 

 りせは少しの間、過去のことを思い出していた。悲劇に佇む櫻子の姿が過去の自分と重なったのかもしれない。しかし彼女もりせも生きている。そして悲痛を抱えて生き続けなければならない。りせは櫻子の行く末に自身のそれを重ねて、少しばかり嬉しいような感情が芽生えるのを感じた。自分でもどうかと思った。やはりまともな人間ではないから仕方がないのだろうかと軽口を叩きたい気分だった。

 りせは櫻子の耳元に口を寄せると、櫻子にしか聞こえない肉声でこう言った。

 

『よかったね。壊れてて』

 

 そして躊躇うことなくその場を後にした。

 残された櫻子は空っぽな心で、ぽつりと呟いた。

「会長の声、初めて聴いた」


掲載されている会社名・製品名・システム名などは、各社の商標、または登録商標です。